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 スタイリング Styling



インダストリアル・デザイン


ハウザーCNCジグ研削盤を例に、CNC黎明期から現在までのカバーデザイン変遷についてあれこれ考えてみます。

20世紀当時のカバー

称”通勤快速”タイプ。CNC化による安全カバーが一般的かつ義務的となったごく初期のデザイン。とりあえず、視認性と防護性、二つの要求機能を取り合わせて、容量を最大にすればいいか・・とシンプルに考えた結果、電車と似てしまった、という偶然なのか、それとも、その要求に従えば行き着いてしまうのが電車で、それが典型的なミニマル・デザインということに気づいたという必然だったか?いずれにせよ、完成品は実用性に溢れる大きな弁当箱の延長線にあるような論理的硬派イメージで、特にこれといったデザインが存在する気配はない。


称”インベーダー”タイプ。マシンカバーというものの登場から間もなく、デザインという概念を携えてようやく登場した、なんと水平方向の”なで肩”カーブという現在でもたいへんユニークなデザイン。カバーの脚と、くりぬかれたウインドーがそれとなくゲームの異星人アイコンを思わせる。いまだに他社でもみかけない、機能からはなれて、完全にアートに踏み入ってしまったかのようなデザイン。デジタル制御のイメージだから、スペーシーな味付けで宇宙船イメージ・・という素直な流れに乗らずに”異星人”イメージにしたという独創性抜群の秀作。オリジナリティあふれるデザイン原案であっても、多数の関係者によって丸め込まれてしまう巷の決定プロセスではありえない大胆さと、これを採用することでマシンカバーというありかたに、これはどうだとスタンスを示したハウザーの英断にも拍手。

メーカー問わず現在主流の、縦方向に沿って上から手前に向かってふくらんでカーブし、目線付近でまっすぐ落ちるカバーデザインよりも、遊びが多いデザインだが、デザインスケッチをなんとか具体化させようとした製造上の努力という評価を加えてもらえるのであれば、手前ミソながらいまだ優越感ありといったところ。
その甲斐あってか、並み居る現代の最新鋭モデルに囲まれた今でも、すぐにそれとわかるその存在感は強烈。


21世紀から現在以降

称”エクスプレス”タイプ。今日現在あたりまえに主流となったデザインを先取りしていたかもしれない21世紀初頭のカバーデザイン。マシンの機能とは無関係だが、エアロダイナミクスの風洞実験から生まれたような凹凸のないスムーズな表面、曲線や面取りを採用する。自動車にも同様のトレンドが取り入れられた時代とも重なり、進んだ工業デザインイコールエアロダイナミクスを考慮しているもの・・・という強いインスパイヤがかかったか?同様のデザインフォロアーが続々と出現したためか、ハウザーでの採用期間は短かいものとなる。

【身近にある箱モノエアロ】
このエアロデザインコンセプトは工業製品一般に幅広く展開されており、鋼板のボックス型といえば機能への貢献度を問わず、この延長にあるものに満ち溢れかなりの成功を収めている。
また、現在の工作機械業界においてもこのデザインコンセプトは根強い。もちろんエアロダイナミクスとは無関係のマシンカバーだが、そもそも風洞実験で導かれた形状には、スタイリングが介在する余地はあまり残されておらず、結果としてここにインスパイアされたひな型をベースに作図を開始するような場合、独創性を発揮しにくく、似通ったデザインに溢れかえってしまう起点ともなる悩ましいコンセプト。


称”ブリック・ブロック(スイス・チョコレート)”タイプ。現在のデザイン。先代の曲面やR処理をやめ、直線基調でエッヂを利かせ、レンガを積んだような無骨さと正確さを表現。70年代のプロトタイプ・スーパーカーのようなクサビ型を彷彿させる、エアロデザイン全盛の現在にあっては新鮮なデザイン。直線とは自然界に存在しないとのことで、それは最も人工的なもの、つまりは人類の英知である工業製品のアイコンといえるのかもしれない。


シンカバーは、誰からも一目で他のマシンとの区別が可能な要素であり、作り手にとっての、その製品マーケティング上の重要性については、もはや議論は不要であるにとどまらず、そのユーザーにとっての重要性もすでに指摘されています。今後は、マシンユーザーとしての立場に飽き足らないコンストラクター志向の顧客向けに、指定色ならぬカバー形状のオーダーメード、つまり好みのスタイリングデザイン対応がオプションとして可能になっていくのかもしれません。具体的には、イメージを伝えてデザイナーに原案やモデリングまでお任せすればいくら、さらにCADで図面化していくら、完成部品にまですればいくらなど。。

ラシックカーイベントなどに登場する、時代を超えた憧れであり続ける世界的名車いずれもが、エンジンパフォーマンスなどのハード・スペックはさておき、”かっこよく”みせたいという、各デザイナーの意気込みに溢れかえっていることが思い出されます。

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